日本小児アレルギー学会誌
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ワーキンググループ報告(シンポジウム10「小児アレルギー性鼻炎診療のUnmet needs:発症予防も含め」で発表)
小児アレルギー性鼻炎診療実態調査
岡藤 郁夫近藤 康人二村 昌樹長谷川 俊史亀田 誠大嶋 勇成海老澤 元宏吉原 重美
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2024 年 38 巻 1 号 p. 123-137

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抄録

目的

我が国における小児アレルギー性鼻炎診療実態と問題点を明らかにする.

方法

日本小児アレルギー学会および日本小児耳鼻咽喉科学会にメールアドレス登録のあるそれぞれの会員を対象にインターネット調査を実施した.

結果

803名から回答を得た.診断に関しては,小児科医は局所所見より検査をより重視し,耳鼻咽喉科医は検査より局所所見をより重視していた.鼻のケア指導(鼻のかみ方,鼻をすすらないこと,鼻の洗い方,点鼻薬の使い方)は小児科医も耳鼻咽喉科医も実施する医師が半分程度しかいなかった.鼻アレルギー診療ガイドラインは,小児科医は耳鼻咽喉科医ほど活用しておらず,特に小児科の非アレルギー専門医は持っていないという回答が2割あった.小児科医は耳鼻咽喉科医より診察時間を多く取っていた.5歳未満の幼児の感染症との鑑別に小児科医は耳鼻咽喉科より困難を感じていた.

結論

診断方法において診療科の特徴が大きな影響を及ぼしていた.鼻症状に対するケア指導を実施している医師は診療科を問わず半分以下だった.

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