日本小児アレルギー学会誌
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シンポジウム 4:薬物アレルギー
日本の薬物アナフィラキシーの実態
佐藤 さくら
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2026 年 40 巻 1 号 p. 41-47

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抄録

薬物アナフィラキシーは,抗菌薬,造影剤,血液製剤など様々な薬剤により引き起こされる重篤な過敏反応であり,医療現場における重要課題である.

医薬品副作用データベースの解析では,薬物アナフィラキシーの年間発生頻度は人口10万人あたり平均1.03例,死亡頻度は0.03例で,原因薬剤は造影剤を含む診断用薬と血液製剤を含む生物学的製剤が多く,死亡例では診断用薬と抗菌薬が主な原因であることが示されている.アナフィラキシーは発症時の初期対応の遅れが致命的となるが,アレルギー疾患医療拠点病院における全国調査では,医療機関内発症例へのアドレナリン投与は約8割であり,一部では未だ適切な治療が行われていない.さらに日本医療安全調査機構の調査では,注射剤投与後の死亡例の約7割で初発時に皮膚症状を伴わず,投与から初発症状まで中央値2分,心停止までの中央値は7分と極めて急速な進行を示している.医療従事者は皮膚症状の有無にかかわらず即時に診断し,アドレナリン投与を含む初期対応が行える体制の整備が必要である.

本稿では,疫学データおよび死亡事例の分析に基づき,薬物アナフィラキシーの現状と診療体制・医療安全向上に向けた課題について概説する.

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