抄録
小児気管支喘息は突然に呼吸困難などの生活に支障を来たす症状が出現し, 正常な発育・発達を障害したり, 介護する家族, 特に両親に与える影響は大きい. 全国から調査に協力した喘息児の保護者に対して, 喘息発作と心理・社会的要因 (心因), 喘息児の性格, 家庭・社会環境の健全性, 合併する他の心身症, 人生の転機 (life change units) に関する質問, 担当医には心身の治療, 心身相関に関する質問に答えてもらった. 心身症群と否定群を区別することが出来る8項目 (喘息発作と心因に関わる4問, 喘息児の性格に関わる4問) の質問が選ばれ, 小児期の喘息における心身症の診断に役立つと考えられた. また, 喘息児のQOLに関する質問票に記載させた. 心身症とQOLに関する質問票は違った側面があり, 調査の目的によって選択されるべきである. 質問紙法には記載する者の主観が大きく関わることを理解して評価される.
