抄録
気管支喘息児9例を対象に, Double-blind, placebo-controlled method で, オキサトミドのメサコリンに対する気道過敏性に与える抑制効果について検討した. 9例中7例に閾値の上昇を認め, PC20はオキサトミド投与時1528±1849μg/ml, プラセボ投与時495±510μg/mlとオキサトミド投与時に有意に高値であった. 以上よりオキサトミドは気管支喘息児の気道過敏性を改善することが明らかになった.
気道過敏性の成立機序については, ロイコトリエン等のケミカルメディエーターとの関連やレセプターとの関連が検討されている.
オキサトミドは, ヒスタミン, ロイコトリエン, PAFなどケミカルメディエーターの合成, 遊離を抑制するとともに拮抗作用が報告されている. また, モルモット肺におけるβレセプターの数の有意な増大が報告されており, 今回の結果は気道過敏性の成立機序の面からも興味深い結果であった.