日本小児アレルギー学会誌
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いわゆる難治性喘息児, 長期入院もしくは頻回入院の重症喘息児の臨床像の特徴について
宮林 容子岩崎 栄作馬場 実
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1991 年 5 巻 1 号 p. 46-52

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抄録
1986年から1988年の3年間に同愛記念病院小児科へ10回以上の入院を要した喘息児29例と, 1年間にのべ2カ月以上の入院治療を要した喘息児20例, 計49例について, 入院歴のない軽症喘息児98例と臨床像ならびにアレルギー諸検査について比較検討した.
1. 重症喘息児: 現在年齢は平均12.5歳, 性比は1.6であった. 入院回数は平均10回. 入院日数は平均182日. 重症発作の回数は平均4.4回. 気管内挿管を要した症例1例. ステロイド薬依存歴のある者10例.
II. 重症喘息児と軽症喘息児の比較検討:
1) 2歳未満発症例が重症群で有意に多かった. 2) アトピー性皮膚炎の既往歴あるいは現症のある者が, 重症群で有意に多かった. 3) 食物アレルギーの既往のある者が重症群で多かった. 4) 血清IgE値, RAST score は両群間に差を認めなかった. 5) 心理的要因の関与がうかがえる症例があった.
小児気管支喘息は早期より適切な治療, 指導が重要である.
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