日本小児アレルギー学会誌
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乳児喘息健康診査事業 (名古屋市) におけるアレルギー性疾患のスクリーニング
神田 康司岩佐 充二安藤 恒三郎今枝 弘美鈴木 悟大内 正信渡辺 勇後藤 玄夫川北 章
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1995 年 9 巻 4 号 p. 308-313

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抄録

名古屋市は小児アレルギー性疾患の早期予防のために各保健所の3カ月検診にて, 湿疹や喘鳴の既往あるいはアレルギー性疾患の家族歴のある児のスクリーニングを行い, 市内12病院に総IgE値, 卵白, 牛乳, ダニ特異的IgE値, 好酸球数の血液検査と生活指導の委託業務を施行してきた. 今回は保健所より紹介され名古屋市立城北病院小児科を平成4年1月から平成5年1月までに受診した乳児249人 (男児134人, 女児115人, 平均5.8±2.3カ月, 3から12カ月) のアンケートと血液検査の結果を検討した. その結果, 母乳栄養児の卵白特異的IgE値が混合あるいは人工栄養児より有意に高値を示した. これは経母乳感作の重要性を示していると考えられた. アレルギー素因が強いと考えられる児では母乳を介する感作, アレルギー症状の発現の可能性を考えて, 母親に対して食事, 生活環境の指導をしていくことが重要と考える.

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