抄録
シェーグレン症候群の母体からの移行抗体に関連する孤立性先天性完全房室ブロックの低出生体重児のペースメーカ治療について, 後方視的に検討した. 【症例1】 女児. 胎児エコーによる心囊液貯留出現により緊急帝王切開. 在胎32週2日, 出生時体重1,628 g, 自己心拍60 bpmであった. 【症例2】 男児. 健常児とのDD双胎で, 在胎34週3日, 出生時体重1,902 g, 自己心拍42 bpmであった. 両症例ともに, 直ちに開胸的に心外膜リードを縫着して一時的体外ペーシングを開始した. 待機期間中に約1 kgの体重増加が得られ, 日齢49と59に恒久型ペースメーカ植え込み術を施行して, 良好に経過している. この治療戦略は確実性及び安全性において妥当であると考えられた.