日本小児循環器学会雑誌
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原著
観血的治療を要した腎血管性高血圧の検討
古賀 千穂藤田 秀樹田中 敏克富永 健太亀井 直哉小川 禎治佐藤 有美城戸 佐知子大嶋 義博
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2014 年 30 巻 3 号 p. 273-278

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抄録
背景:腎血管性高血圧は二次性高血圧であり,原因である腎動脈狭窄を解除することにより改善を得られる可能性が高い.
対象および方法:腎血管性高血圧と診断され,2005~2011年までに当院で観血的治療を行った小児9例について検討した.治療結果は①治癒:薬物治療なしで正常血圧を保てるもの,②改善:同量か減量した薬物治療で収縮期もしくは拡張期血圧が低下したもの,③降圧効果なし:血管造影では狭窄は改善したが血圧に変化がみられなかったもの,④無効:狭窄血管を拡張できなかったものの4型に分けて評価した.
結果:初回観血的治療介入時期は18ヵ月~13歳であった.カテーテル治療は19回,8例に施行し,外科治療は4例に施行した.治療結果は,治癒は外科治療で1例,改善はカテーテル治療で14回,外科治療で3例,降圧効果なしはカテーテル治療で4回,無効はカテーテル治療で1回であった.
結論:カテーテル治療,外科治療ともに短期の成績はおおむね良好であったが,幼児や重複腎動脈で細径のステント留置に至った場合は,再狭窄に対して繰り返し介入が必要となり,治療に難渋した.
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© 2013 特定非営利活動法人 日本小児循環器学会
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