小児歯科学雑誌
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臨床
第一大臼歯の異所萌出に対してHaltermanの装置を応用した二例
太田 増美池田 孝雄安達 詩季難波 隆夫朝田 芳信
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2011 年 49 巻 5 号 p. 474-481

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抄録

第一大臼歯の異所萌出は第一大臼歯の近心位への萌出により近接した第二乳臼歯の歯根吸収を引き起こし,後継永久歯の萌出余地不足を招来する。そのため,早急な第一大臼歯の正常な位置への誘導が必要である。今回,著者らは上顎第一大臼歯さらに上下顎第一大臼歯の異所萌出が認められた2 例においてバンド,エラスティックチェーン,リンガルボタンを利用したHalterman の装置とその改良型装置により第一大臼歯の遠心への萌出誘導を行った。これらの治療の結果以下のことが示された。1 .Halterman とその改良型装置は萌出誘導期間が2~3 か月と比較的短く,装着中に痛みや違和感を示すことはなかった。2 .Halterman 改良型装置は上顎だけでなく下顎の症例に対しても有効な装置であった。このことより,上下顎第一大臼歯の異所萌出に対してHalterman とその改良型装置は比較的容易に第一大臼歯を遠心に誘導することが可能であり,さらに短期間で行えることから患者に負担が少ない有効な治療法であることが示唆された。

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© 2011 日本小児歯科学会
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