小児歯科学雑誌
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実験動物におけるムタステインの齲蝕抑制効果
泉谷 明藤原 卓安福 美昭大嶋 隆祖父江 鎮雄
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1986 年 24 巻 4 号 p. 751-757

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抄録
Aspergillus terreusの培養上清より抽出されたムタステインのStreptococcusm utans誘発齲蝕に対する作用を,in vitroおよび実験動物を用いて調べた。
S. mutans 菌体の平滑面付着は,ムタステインの添加量に比例して減少した。またその抑制効果は,B13R株において特に著明であった。粗GTaseを用いた不溶性グルカン合成は,ムタステインの添加量に比例して著明に抑制された。
実験齲蝕によるムタステインの齲蝕抑制効果は,血清型cに属するS. mutans 誘発齲蝕に対しては,ムタステインの添加により抑制された。しかしその効果は著明ではなかった。一方,血清型dあるいはgに属するS. mutans 誘発齲蝕に対しては,ムタステインの添加により明瞭な抑制効果が認められた。
以上の結果は,S. mutans 誘発齲蝕に対して供試ムタステインが抑制的に作用することを示唆している。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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