小児歯科学雑誌
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イソマルトオリゴ糖の齲蝕誘発能
南 貴洋三木 忠浩藤原 卓川端 重忠泉谷 明大嶋 隆祖父江 鎮雄浜田 茂幸
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1989 年 27 巻 4 号 p. 1010-1017

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抄録
イソマルトースを主成分とするイソマルトオリゴ糖(IMOS)の齲蝕誘発能の有無をin vitroの実験系,およびSPFラットを用いた実験齲蝕系で調べた。その結果,IMOSはStreptococcus mutans MT8148 株および Streptococcus sobrinus6715株のいずれによっても利用され, 強い酸を産生した。I M O S は上記両菌株より得られた酵素グルコシルトランスフェラーゼ(GTase)によるスクロースからのグルカン産生を抑制した。さらにI M O S は両菌株のスクロース依存性の平滑面付着を阻害した。しかし, S . m u t a n sMT8148R株およびS.sobrinus6715株を感染させたSprague-Dawleyラットの実験系においては,IMOS単独ではほとんど齲蝕誘発能を示さなかったが,スクロースにより誘発される齲蝕の抑制作用は認められなかった。
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© 一般社団法人 日本小児歯科学会
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