吸啜時の口腔周囲筋筋活動の詳細な活動様式を検討する目的で,新たに筋活動積分値平均移動曲線による観察方法を考案し,乳児9名を対象にその時間的精度と再現性について検討した。その結果,以下の結論を得た。
1.移動曲線を用いることにより,1吸啜サイクル時間の時間経過による各筋筋活動量の活動の増加・減少が明瞭に観察できるようになった。
2.吸啜波から計測した吸啜サイクル時間は平均647.8ms,移動曲線から計測した吸啜サイクル時間は平均653.3msと両者に差を認めなかった。
3.被検者内および被検者間それぞれの平均変動も両計測間で差はみられなかった。
以上の結果から積分値平均移動曲線を用いることにより吸啜時の協調パターンを明瞭に観察し詳細な定量分析が可能となった。