2002 年 40 巻 5 号 p. 783-789
8020運動の目標達成に向けて,小児期からよりよい永久歯列の咬合育成をはかる上で重要と思われる顎機能の異常や口腔習癖についての診査を,山梨県咬合育成事業モデル校(小学校)を対象に実施したところ以下のような結果が得られた。
1.最大咬合力および最大開口量は高学年になるに従って増加が認められた。
2.顎関節雑音の発現率は,全学年では9.3%で,1年生と6年生でその値が他の学年よりも大きかった。
3.口呼吸の発現率は全学年では27.4%であった。安静時開口の児童はさらに多く34.4%であった。
4.異常嚥下の発現率は全学年では18.0%であり,舌突出癖の発現率は14.5%であった。どちらも低学年で発現率が高い傾向にあった。