主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 125_1
注意の焦点づけ(attentional focus)は、運動のパフォーマンス発揮に対して影響を与える(Wulf, 2007)。そして、自分の身体運動に注意を向けること(内的焦点;internal focus)による運動パフォーマンスへの影響は、注意を向ける身体部位によって異なることが遠投課題を用いた研究から報告されている(Oki et al., 2018)。しかし、遠投課題以外の運動については十分に検討されていない。そこで本研究では、注意の焦点づけが立ち幅跳びのパフォーマンスに与える影響を明らかにすることを目的とした。体育系学部に所属する15名が、注意の焦点づけに関する3条件(腕の動かし方、脚の動かし方、目標地点)で各3試行(計9試行)の立ち幅跳びを行った。各条件の平均値について一元配置分散分析を行った結果、条件の主効果がみられ、脚に注意を向ける(223.9±31.8cm)よりも目標地点に注意を向ける(230.5±31.8cm)方が跳躍距離は有意に長く(p < .05)、腕に注意を向ける条件(227.1±31.8cm)との有意差はみられなかった。以上から、立ち幅跳びのパフォーマンス発揮においては、脚に注意を向けるよりも目標地点に注意を向けることが有効であることが示唆された。