主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 133_2
本研究の目的は、スポーツマンシップやフェアプレイと関連する「正義」がスポーツ行動規範に及ぼす影響を検討することであった。関東および関西の国公私立大学の学生540名を対象に、1)正義の下位尺度「平等公平」、「チームワーク」2)スポーツ行動規範の下位尺度「スポーツエゴ」、「生まじめさ」、「礼儀」、「情緒的興奮」の質問紙調査を行なった。スポーツ経験と正義については、①スポーツ経験年数が長い者の方が正義得点が高い、②役割を経験している者の方が正義得点が高い、③競技レベルが高い者の方が正義得点が高い、ことがわかった。また、正義得点とスポーツ行動規範の重回帰分析から、①正義の「平等公平」はスポーツ行動規範の「スポーツエゴ」、「礼儀」、「情緒的興奮」への影響、②正義の「チームワーク」はスポーツ行動規範の「生まじめさ」、「礼儀」への影響、が示された。以上より、スポーツ経験は正義の水準を高め、道徳的規範を育成することが示唆された。