主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
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「体育」は、運痴であった私には苦い思い出だ。大学では、受験勉強で鈍った1年生の最初の授業でバスケット・ボールがあり、4-2のスコアでゲームが終わり(その4点は運痴の私が入れた)、10人が下を向いて苦笑いしたことを思い出す。しかし、最初に勤めた教員養成学部の体育教室の同僚が、「学校では主要教科扱いされていないが、逆上がりができなかった子どもができるようになり、一回の授業で目を輝かせるのが、僕らの体育だ」と語るのを聞き、自分自身が青年から中年、さらに老年に至って、身体の大切さを実感するにつれ、一生を通じた身体の大切さに比べ、学校教育の位置づけの乖離を痛感する。中でも、大学時代は、同世代の50%以上が学び、青年後期に属し、一生を通じる価値観と教養の土台を作る時期である。高校では「保健体育」、「家庭科」、「福祉」など、身体発達を教養に結びつける科目があるが、大学体育や保健科目と断絶がある。最大の問題は、大学体育教員の養成(大学院教育)に、体育教育論が位置づいていないことであるが、愚痴を言っても始まらない。大学教員の専門性開発(professional development)の現状から、現職教育としての体育教員養成の可能性を提言してみたい。