主催: 一般社団法人 日本体育学会
会議名: 日本体育学会第70回大会
開催地: 慶應義塾大学日吉キャンパス
開催日: 2019/09/10 - 2019/09/12
p. 307_1
本研究では小学校体育における跳び箱運動を対象として、出来栄えの高い開脚跳びの動作について明らかにすることを目的とした。G小学校の第4学年の男子児童52名を対象に、5段の高さの跳び箱を用いて開脚跳びを行わせた。2次元動作分析を行うために跳び箱の側方に高速度デジタルカメラを設置し、300Hzで試技の映像を記録した。得られた映像から身体の各種キネマティクスデータを算出した。これに加えて、開脚跳びに関する学術論文等を参考に開脚跳びの動作を評価するための指標を作成した。作成した評価指標を用いて各対象者の動作を得点化し、動作得点の平均を基準として上位群と下位群に分類した。上位群と下位群における各種キネマティクスデータを比較した結果、踏切板接地時および離地時における身体重心速度、踏切板の接地時間、第一滞空時間、第一空中index(滞空時間を踏切時間で除した値)、着手時間、第二空中index(滞空時間を接手時間で除した値)の7項目において有意な差が認められた。このことから、出来栄えの高い開脚跳び動作の特徴として、勢いのある助走、短時間で遂行される踏切や着手から作り出される大きな空中局面が挙げられることが示された。