日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
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第70回(2019)
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12 スポーツ人類学
12人-12-口-09 ブラジリアン柔術のグローバル化とその影響
ブラジル・アラブ・日本の実態
*菱田 慶文
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p. 330_3

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抄録

 本研究は、ブラジリアン柔術(以下、BJJ)のグローバリゼーションの実態を解明するものである。BJJは1993年にアメリカで始まったUFCでホイス・グレーシーが活躍したことで世界中に広まるようになった。当初は世界の総合格闘家たちが競技力向上のためにBJJの技術を取り入れていたが、のちにその用途は多方面に広がっていった。例えば、UAEのアブダビ首長国では学校体育として採り入れられているし、日本でも「デカセギ」のコミュニティ形成やフィットネスとして行われている。一方、90年代にはBJJの全伯組織及び世界組織の形成が進み、それまでブラジル国内で道場毎に伝承されていたBJJは競技化によって統一されることになる。

 本研究では、リオデジャネイロにおける貧困層に普及されたスプービオ柔術、サンパウロにおける柔道家によるBJJの普及、ファベイラ(貧民窟)におけるソーシャルレスキュー(ボランティア)で運営されるBJJ道場、日本においては、日系ブラジル人コミュニティ、プロ総合格闘家の柔術普及などの実態を明らかにする。

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© 2019 一般社団法人 日本体育学会
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