日本体育学会大会予稿集
Online ISSN : 2424-1946
ISSN-L : 2424-1946
第70回(2019)
会議情報

シンポジウム
コーチングに関する一般理論をスポーツ類型別に構築する意義と方法
中川 昭
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 54_2

詳細
抄録

 コーチが日々の活動で直面する課題は厳密に言えば同じものは1つもない。それ故、コーチは、それまでの経験に頼るだけの指導では効果的に課題解決ができず、課題とその解決の道筋が抽象的に示された理論を頭の中に持つことが必要となる。そうすることにより、理論(原理・原則)をベースに演繹的な思考を適用して、様々な課題を効果的に解決することが可能となるのである。実践との直接的な結び付きを考えると、種目ごとでのコーチング理論の構築が重要となることは論を待たないが、体育系の大学や学部での指導者養成という見地に立つと、スポーツ種目の数が500を超える状況の中で種目ごとの理論構築に終始するだけでは限界があり、一方で、種目を横断する一般コーチング理論の構築が必要不可欠となる(朝岡, 2012)。その際、すべてのスポーツ種目に通底する一般理論を構築することに加え、スポーツ種目の類型ごとに一般理論を構築することもできる。本発表では、後者のスポーツ類型別の一般コーチング理論の構築に焦点を当て、その意義はどこにあるのか、またどのように行えば意義を高めることができるのかを、指導者養成、コーチング実践、そして研究推進の見地から検討する。

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本体育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top