日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第71回(2021)
セッションID: 2O1001-04-03
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学校保健体育研究部会【課題B】口頭発表
小学校における「より良い水泳授業」のための基礎的研究
高学年の児童と教員に対する調査を基に
*中山 正剛
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抄録

本研究は、小学校高学年の児童と教員を対象に、小学校におけ水泳授業の現状把握と児童及び教員の水泳に対する意識調査を行い、より良い水泳授業のための基礎的な知見を得ることを目的とした。調査対象は大分県内の2つの小学校に通う高学年児童214名(男児:99名、女児:115名)と、教員27名(男性:9名、女性:18名)であった。得られた主な結果は以下の通りである。

⑴児童において、クロールに比べて平泳ぎの困難度が高いことが分かった。また、「泳ぐことへの意欲・関心」も「水泳授業への意欲・関心」も泳げない児童より泳げる児童の方が高いことが示された。

⑵水泳授業の満足度を調査した結果、泳力が高い児童でも、「教員の指導に対する不満」や「泳ぐ時間や量が不十分」と感じていることが分かった。反対に、泳力が低い児童でも、「指導に対する満足」や「自分の成長に対しての満足」を感じていることが明らかとなった。

⑶教員においても、クロールに比べて平泳ぎの困難度が高いことが分かった。また、「水泳授業への意欲・関心」も泳げない教員より泳げる教員の方が高いことが示唆された。

⑷教員が抱えている水泳授業の問題点として、「指導者不足により個別指導ができない」、「専門的知識が不足しており自信がない」、「天候による授業数の確保が困難」などが挙げられた。

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