日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第71回(2021)
セッションID: 3O901-04-02
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10kmクロスカントリーローラースキーにおける勾配およびLap間の運動強度の比較
*藤戸 靖則柏木 悠平野 智也古田 なつみ相馬 満利船渡 和男
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抄録

【背景】クロスカントリスキー(以下XC)のレースコースは、多数の勾配から構成され、勾配の違いからレースペーシングが異なる。また、レースコースはコースごとに勾配の特徴が異なるため、各勾配およびLap間でのレース展開が、パフォーマンスに大きく影響する。しかし、先行研究では、勾配間やLap間内の比較はあるが勾配およびLapの両方を考慮した研究は少ない。【目的】10kmクロスカントリーローラースキー中の心拍数から各勾配およびLap間の運動強度の違いを明らかにする。【方法】参加者は、大学XC選手11名(年齢: 20.5±1.4歳)とし、①トレッドミル上でXCによる漸増負荷テストによって有酸素能力②10kmXC競技大会にて滑走速度およびHRを計測した。有酸素能力は、HRmax、%HRmax、%HR@OBLAを算出した。得られたデータは、Uphill、Flat、Downhillに分類し、セクションごとに算出した。セクションは全16セクションであり、競技は、そのコースを3周した。【結果および考察】本研究における勾配において最も特徴的だったのが、滑走速度では、勾配が最も大きかったDownhillとその後のUphillにおいて、パフォーマンスが優れているのもが高い傾向を示した。一方で、運動強度においては、勾配が最も大きかったDownhill後の勾配においてパフォーマンスが優れているのもが高い傾向を示した。さらに、パフォーマンスが優れている選手は、レース全体をOBLAに近い運動強度でレースを展開していた。このことから、レースでは、OBLAの運動強度を保ち、勾配の差が大きい前後の区間がレース展開に重要な要素となることが考えられる。【結論】10kmクロスカントリーローラースキー中の運動強度は、OBLA付近でレース展開がなされ、勾配差が大きい前後の区間のレース展開がパフォーマンス向上に関わってくる。

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© 2021 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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