日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
Online ISSN : 2436-7257
第73回(2023)
セッションID: 3c1205-09-05
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体育方法 ポスター発表
女性フィギュアスケート選手の体組成と骨組成の関係からみた女子アスリートの三主徴に関する実態調査
*木原 万莉子藤澤 義彦
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抄録

近年、女性アスリートは、競技レベルに伴い、オリンピックでの活躍が目覚ましい反面、女性特有の健康問題が問われている。その中でアメリカスポーツ医学会は「利用可能エネルギー不足」「視床下部性無月経」「骨粗鬆症」を女性アスリートの三主徴FATとして定義した。FATは、女性アスリートに出現率の高い健康問題であり特に、審美系種目であり持久系種目でもあるフィギュアスケートは、日頃から体脂肪を極端に減少させることを重視しているため、FATが深刻な問題であることと考えられる。また、近年、女子フィギュアスケート競技は低年齢化が進んでいるため、10歳前後の選手がハードなトレーニングを強いられ、身体的に発育段階にある15~16歳の選手が活躍している。 実際に選手を含め、指導者、保護者の女性アスリートの三主徴に対する理解が乏しい状況である。本研究の対象者は、経験年数5年以上の12~17歳(14.9±1.6)、練習頻度は1.5~3時間/日×6~7日/週、身長151.2±9.2、体重44.7±8.4の女子フィギュアスケート選手である。測定は、骨密度および骨質の測定を可能とするOYO電気社製2波検出型超音波骨密度計LD-100である。LD-100は、超音波が海綿骨を透過する際に生じる高速波と低速波の音速と減衰を用いることにより、橈骨の骨密度および骨質を測定することが可能である。また、超音波を使用するため被爆の心配がなく、年少者にでも安全に測定が出来る。今回はこのLD-100を用いて、競技経歴などの基本的な情報に加え、月経状況、疲労骨折の既往歴、栄養摂取状況調査とともに身体活動量調査の各種調査と骨組成との関係から女子フィギュアスケート選手の健全な発育・発達に促したコンディショニングの指標を明らかにすることを目的とする。

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© 2023 一般社団法人日本体育・スポーツ・健康学会
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