日本静脈経腸栄養学会雑誌
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総説
誌上会長講演:ガイドラインとエビデンスに基づいた臨床経験の共有
井上 善文
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2015 年 30 巻 1 号 p. 3-12

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抄録

一人の外科医が臨床栄養という領域で活動してきた、その歴史について述べた。臨床栄養という領域は、基本的に地味な領域である。地道に、ひとりひとりの患者に対して真摯な態度で栄養管理を実施する、その基本的なところに戻ってみることが、今後、我々がなすべきことなのではないであろうか。NSTという名前が一人歩きし、実施されている栄養管理自体が疎かになる傾向が出てきている。また、根拠に乏しい栄養管理法が実施される傾向も出てきている。エビデンスとガイドラインに基づいた栄養管理を実施し、その臨床経験を共有することが本来の本学会の目的であるべきである、という提言を、第30回日本静脈経腸栄養学会学術集会会長として、参加者に投げかけたい。日常臨床の実践の中で気づいた疑問や問題点を解決しようと活動してきた軌跡について、これから臨床栄養の領域でリーダーとして活躍してくれる方々の参考になればと思いながら述べさせていただいた。

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© 2015 日本静脈経腸栄養学会
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