抄録
【目的】抗炎症作用を有するエイコサペンタエン酸(EPA)が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)増悪治療中の除脂肪体重(LBM)の推移にどう影響するのか評価することを目的とした。【対象及び方法】増悪にて入院した COPD症例に EPA強化栄養剤の飲用(EPA 1g/日)を推奨し、生体電気インピーダンス法にて飲用開始前と退院時に除脂肪体重指数(LBMI)を含めた身体組成を測定した。全例呼吸リハビリテーションも併用した。【結果】身体測定を実施し得た20例を、EPA群16例とコントロール群4例に分けて評価した。LBMIの変化はコントロール群にて16.5±2.1→16.0±2.2 kg/m2(P = 0.005)と有意に減少したが、EPA群では15.5±2.8→15.5±2.1 kg/m2 (P = 0.87)と維持された。【結論】LBMの減少抑制の面から COPD増悪入院症例への EPA強化栄養剤の追加飲用は有用かもしれない。