2017 年 32 巻 5 号 p. 1503-1505
【目的】高齢緊急入院患者の入院時血清ナトリウム(Na)値と入院中死亡率との関係を検討する。【対象及び方法】2013年4月1日から9月30日に、内科系疾患で当院総合内科に緊急入院した65歳以上の高齢患者153例を対象とした。入院時の血清Na値、転帰、在院日数などを電子カルテを用いて後方視的に調査した。対象患者を、低、正、高Na血症の3群にわけて、入院中の死亡率を比較検討した。【結果】平均血清Na値は135.0 mEq/Lで、低Na血症群63例、正Na血症群84例、高Na血症群6例であった。入院中死亡数(死亡率)は低Na血症群2例(3.2%)、正Na血症群5例(6.0%)、高Na血症群3例(50.0%)で、高Na血症群は他の2群と比べて有意に死亡率が高かった。死亡例のうち血清Na値異常群は血清Na値正常群と比べて、死亡までの日数が短かった。【結論】高齢緊急入院患者において、入院時の血清Na高値は入院中死亡率の上昇と関連している可能性がある。