2018 年 33 巻 5 号 p. 1159-1163
【目的】弛緩性便秘の高齢患者に対してペクチン含有濃厚流動食ハイネイーゲル®(以下、EGと略)を使用した場合の排便に及ぼす影響を検討した。【対象及び方法】同意を得られた経管栄養管理中の患者14名を対象とした。まずは食物繊維を含まない経腸栄養剤(以下、FFと略)を2週間投与した後、EGを4週間投与した。FFを投与した期間とEGを投与した4週間のうち後半の2週間について排便日数及び排便回数を比較した。【結果】FFを投与した期間に比べEGを投与した期間では、排便日数、排便回数とも有意に増加した。また、副次的に便性状、排便処置実施日数、腸内細菌叢を評価したところ、EGを投与した場合、正常便の割合が有意に増加し、排便処置実施日数が有意に減少した。また腸内細菌叢ではLactobacillalesに増加傾向を認めた。【結論】EGは弛緩性便秘の高齢患者の排便を促進させる可能性が示唆された。