日本静脈経腸栄養学会雑誌
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施設近況報告
脳神経外科単科NSTがもたらした院内波及効果
礒野 直史山藤 景子福山 幸枝今村 由季八野 彩希黒沢 秀夫佐古 守人飯森 文野村 真也
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2018 年 33 巻 5 号 p. 1191-1194

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抄録

栄養サポートチーム(nutrition support team; 以下、NSTと略)は全科型を中心に普及しているが、全科型では各診療科固有の栄養障害に対応しにくい面もある。我々は2011年に摂食嚥下チームを内包する脳神経外科単科NSTを結成した。栄養障害を伴う可能性がある患者をスクリーニングすることで、NST回診数が増加し重症脳卒中患者の在院日数が有意に短縮した。他の院内NSTも我々の方法に倣い院内NST件数が飛躍的に増加した。また脳神経外科の特性を活用し、簡易懸濁法の先行導入、嚥下内視鏡検査と嚥下造影検査の運用法の確立、自助食器の院内採用、といった院内波及効果を生んだ。単科型NSTは症例数が増加するだけでなく様々な取り組みを先行導入しやすく、単科に留まらない波及効果を病院内に生むことができる。

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© 2018 日本静脈経腸栄養学会
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