体力科学
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都会地女子の体型及び2, 3の運動機能について
小野 三嗣杉山 〓平森下 芳郎山本 直道石井 令三
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1968 年 17 巻 3 号 p. 91-101

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抄録

4才から76才までの女子1290名の身長, 体重, 皮脂厚 (腹部・上腕部・背部) , 全身反応時間, 左右握力, 時間肺活量, 体前屈を測定した。そのうちの一部被検者については上記の各項目のほか上腕囲, 前腕囲, 手頸囲, 下腿囲, 足頸囲, 胸囲, 坐高, 上体そらし, 垂直跳を行わせた。その結果次のような結論を得た。
1) 皮脂厚は加令にともなって増大する。その程度は腹部が最高であり, ついで背部, 上腕部の順となる。
2) 垂直跳能力は20才以降加令にともなって著明に減少するが, 全身反応時間の延長傾向は軽度である。
3) 最大肺活量, 一秒肺活量も20才以降加令に従って著明に減少するが, 一秒率の変化は著しくない, 胸囲にも変化がみられない。
4) 20才以降の前腕囲は著変がないが, 握力は, 加令に従って著しく低下する。
5) 全身反応時間とローレル指数との間には相関が認められない。
6) 体前屈は年令によって一定の変化を示さず, 皮脂厚との相関は認められない。
7) 上体そらしは20才以降加令によって減少する傾向を示すが, 同一年令層の場合, 皮脂厚との間に正相関的傾向がみられる。
8) 体密度, 活性組織量, 比活性組織量は15~17才で最高となり, 以降逐次低下する傾向を示す。

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