体力科学
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Training方法の差が筋肉に及ぼす影響の差についての研究 (第1報)
EccentricとConcentricの差を中心として
小野 三嗣倉田 博柳本 昭人石井 令三山本 直道森下 芳郎矢上 宗国山本 博
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1970 年 19 巻 3 号 p. 100-112

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抄録

上肢屈筋及び伸筋群に対しconcentricならびにeccentricなtrainingを行い, 肘関節角度のちがいによる筋力増強効果のあらわれ方のちがいを研究すると共に, 筋電図所見の変動を観察した。同時に上肢諸筋に特殊なtraining効果が期待される腕角力熟練者の筋力, 筋電図を対照学生群と比較した。
結果は次の通りである。
1) 上肢屈筋群はconcentricならびにeccentricのtrainingにより運動終末点附近における筋力が特に増強される。
2) 上肢伸筋群はconcentricならびにeccentricなtrainingにより運動開始点附近における筋力が特に増強される。
3) 上肢屈筋に対するeccentrictrainingは, 女子では, 上腕屈筋群を肥大させると共に, 前腕屈筋群における活動運動単位増加という形であらわれる。男子では上腕屈筋中の活動単位増加という応答と同時に, 前腕屈筋群肥大が女子より優越するというようなちがいがある。
なお筋電図的には肘関節角度の増大にともない活動運動単位数が増加したと思われる所見を得た。
4) 長期にわたって腕角力を行ない, その競技力が特にすぐれている被検者の場合, 肘関節角の変化にともなう上肢屈筋力の差が少くなり, しかも腕角力特有の競技姿勢の全運動範囲にわたって, 殆んど同じ筋放電状態が観察された。対照学生群では以上の所見がみられなかった。
前述の観察結果及び若干の参考文献からtraining方法のちがいが, 単に筋線維肥大という形での効果の差違を生じるだけでなく, 筋神経の協応関係を変化させることによって効果のあらわれ方を変えているものであろうと推諭した。

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© 日本体力医学会
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