体力科学
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筋力調節における運動単位の活動特性の2, 3の検討
倉田 博
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1972 年 21 巻 4 号 p. 183-187

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抄録

筋力調節機序の一断面を解明することを目的として, ヒトの内側広筋の単一運動単位の放電を筋内埋入電極でとらえて膝関節伸展張力と同時記録し, 運動単位の特性について2, 3検討を加えた。
1) τ-S関係において, K, Tunitの間に中間的なunitが区別された。
2) 15秒間隔で測定した各運動単位の活動に参加する時点の張力の平均値とその標準偏差との関係はほぼ正比例関係にあった。そしてKunitが相対的閾値の低いところに位置し, T及びMunitが高いところにも存在した。
3) 相対的閾値の平均値と単一スパイク放電の発現する頻度との間には一定の規則性は見られなかったが, KunitはTunitよりも幾分発現頻度が小さい傾向が見られた。
4) 2~10kgの張力を3~10分間負荷することによって相対的閾値及びその標準偏差は一般に減少傾向にあった。また, その張力負荷によって単一スパイクの発現頻度も減少傾向を示した。
擱筆に当り, 終始御懇篤なる御指導, 御校閲を賜わった名取教授に深甚の謝意を表する。

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