抄録
単一運動単位のphasic-static特性に検索を加えるため, ヒトの内側広筋の活動を筋内埋入電極でとらえ膝関節伸展張力と同時記録し, 張力発揮勾配と弛緩勾配を同一にした場合および筋弛緩に入る前の収縮条件を変えた場合について, 相対的閾値Fthと収縮および弛緩勾配|G|との関係について検討を加えた。
1) 収縮時および弛緩時においてFthはその時の張力勾配|G|によって変化し
Fth (≡Tl・|G|=ρ|G|λ
の関係が成り立った。
2) 収縮および弛緩勾配を同一にした場合収縮
時のλに比較し弛緩時のλがphasicな傾向がみられた。
3) 弛緩に入る前の収縮条件を変えた場合λがほとんど変化しないunit, phasicな方向へ変化するUnitおよびStaticな方向へ変化するUnitがみられた。
そこで各運動単位のphasic-static特性は固定しているのではなく条件の変化によって変動しうるものと推察した。