体力科学
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アーチャーの体力とエネルギー代謝 (第1報)
―日常練習時の運動強度―
辻 幸治武山 秀小石 秀夫片山 吉穂
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1981 年 30 巻 3 号 p. 167-174

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抄録

アーチェリー選手のトレーニング処方を作成するための基礎資料を得る目的で, 大学の男子アーチェリー部員6.名 (20~21才) につき, 使用している弓具の調査, 測定を行って後体格, 体力の測定を行い, 併せて策を3本発射した後矢取りのために30mの距離をかけあしで往復した運動時と回復期のエネルギー消費量からアーチェリーの運動強度を求めた。
1) 体格測定では身長, 体重で被検者, オリンピック強化選手の問に差はなかったが, 胸囲では被検者が明らかに劣っていた,
2) 体力では肩腕力で被検者にやや弱い傾向が認められたが, 他の種目では被検者, オリンピック強化選1三問に差はなかった。
3) 弓の実質ポンド数と肩腕力との間に正の相関が認められ「押す」ではr=+0.73, 「引く」ではr=-0.50となっていた.
4) 基礎代謝量測定の結果平均で38.3kcal/m2/hrとなっていて, 厚生省の基準値から算出した平均値と比較しても差はなかった。
5) 総エネルギー消費量と体重及び体表面積との間に正の相関が認められ体重ではr=+0.73, 体表面積ではr=+0.76となった。また経験年数との間には負の相関が認められr=-0.68となった。
6) 運動時の消費熱量からR.M.R.を算出すると最大で2.7, 最小で1.9となり平均すると2.2となった。

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