抄録
Wistar系雄性ラットを用い, 1, 7, 14および21日齢で, 殿部を切開し脊髄: になるべく近い佃所で左側坐骨神経を3~5mm切除し, その後2および4週で, SOLとEDLの筋湿重量, 筋線維直径および筋線維数の変化などを, 光学顕微鏡レベルで検索し, 正常側筋との比較を行ない, 次の成績を得た。
(1) 除/申経筋の湿董量は正常側筋に対し, SOLで除神経後2週が70~80%, 4週が80~90%と大きな減少を示した。これに対し, EDLはSOLよりも2週後で約25%, 4週後で約10%その減少は小さかった。一方, 筋横断面積の減少率は筋湿重量の減少率より小さく, 2週後でSOL: 40~70%, EDL: 20~40%, そして4週後でSOL: 70~80%, EDL: 50~70%を示した。
(2) 除神経筋の筋線維直径は正常側筋のそれと比較すると細くなった。そして, SOLでは除神経後4週の筋線維直径は, 除神経を行なった日齢の正常筋々線維よりも細くなった。
(3) 組織化学的検索では, 3週齢の除神経後2週では筋線維タイプを分類することはできたが, 染色性はSDH染色, ActomyosinATPase染色共に低下していた。他の条件では染色性も低下し, しかも一様に染色されていた。
(4) 除神経筋の筋線維数は, 除神経後2週で正常側筋に対し20~50%, 4週後で50~70%の減少を示した。
(5) そして, この筋線維数の減少は, 7日齢で除神経した場合が一番大きく, 除神経後2週で40~50%, 4週で約70%であった。これに対し, 1日齢の場合には, 除神経後2週で20~35%, 4週で60~65%と7日齢の場合よりその減少は小さかった。また, 21日齢の場合も70齢の場合に比べてその減少率は小さく, 2週後20~40%, 4週後25~50%であった。