体力科学
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運動時体温調節反応の日周変動
丹羽 健市中山 昭雄大貫 義人緑川 知子
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1982 年 31 巻 4 号 p. 258-265

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抄録
運動時における体温調節反応の日周変動を明らかにするために, 男子大学生を対象に体温最低期, 上昇期, 最高期ならびに下降期に一定環境条件のもとで一定強度の運動を負荷し, 熱平衡の面から体温調節系の動作様式に検討を加えた。得られた結果は以下の通りである。
1.熱産生は冬季, 夏季にかかわらず体温日周変動の各期ともほぼ一定値 (194~209w/m2) を示した。
2.蒸発による熱放散は冬季, 夏季の場合とも体温最低期に最も小で, 体温上昇期, 下降期そして最高期と順次増人した。冬季と夏季との比較では各時刻とも冬季に比して夏季の方が14~29%高い値を示した。
3.間接的に算出した輻射ならびに対流による熱放散は冬季 (130~139w/m2) , 夏季 (122~135w/m2) とも各時刻に差異は認められなかった。
4.貯熱量は冬季, 夏季とも体温最低期に最も大で, 順次, 体温上昇期, 下降期そして最高期と減少し, 夏季に比して冬季の方が常に高い値を示した。
5.直腸温に対する発汗量との関係では冬季, 夏季の場合とも体温日周変動の各期に発汗発現閾値直腸温の平行移動が認められた。
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