抄録
本実験は, 日常比較的炭水化物の豊富な食事を摂取している日本人にとって, 炭水化物ローディングが有効であるのかどうかを調べることであった.
実験において, 被験者たちは初めの7日間にわたり混合食を摂取し, 次の7日間に低炭水化物食を摂取した.混合食にくらべ低炭水化物食では筋グリコーゲン量に有意な低下 (P<0.001) がみられ, パーフォーマンスも有意に低下 (P<0.05) した.その後, 7日間にわたり高炭水化物食を摂取した結果, 筋グリコーゲン量は初めの混合食摂取時よりも有意に増加 (P<0.001) し, パーフォーマンスも向上 (P<0.05) した.
以上のことから, 日常炭水化物の少ない食事を摂取している欧米人に対する炭水化物ローディング効果と同様に炭水化物の豊富な食事を摂取している日本人においても, 食事と運動とを組み合わせた炭水化物ローディングは筋グリコーゲン量を高め, パーフォーマンスを向上させることが明らかにされた.