体力科学
Online ISSN : 1881-4751
Print ISSN : 0039-906X
ISSN-L : 0039-906X
超音波法による皮下脂肪厚分布パターン
湯浅 景元福永 哲夫
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 36 巻 1 号 p. 36-41

詳細
抄録
全身にわたる皮下脂肪厚を測定し, その分布パターンを明らかにした研究は今のところみられていない.本研究では, 2名の成人男子を対象にして, 超音波診断装置 (Bモードlinearタイプ) を用いてほぼ全身の皮下脂肪厚を測定し, その分布パターンを明らかにすることにした.
本研究によって得られた結果は次のようであった.
1) 体幹で皮下脂肪が厚い箇所は, 臍を中心とした腹部中央と側腹から腰部外側にかけての部分であった.
2) 体幹で皮下脂肪が薄い箇所は, 胸部上方の部分であった.
3) 体肢では大腿や上腕のように中枢に近いところにある体節で, かつ中枢に近づくほど皮下脂肪は厚かった.
4) 以上のことから, 体幹では皮下脂肪厚が幅広く分布しているのに対して, 体肢ではほぼ均一に分布する傾向のみられることが示唆できた.
著者関連情報
© 日本体力医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top