体力科学
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加齢にともなう脚伸展パワー値の変化とその評価
平野 裕一野口 秋実宮下 充正
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1994 年 43 巻 1 号 p. 113-120

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抄録

本研究では, 身体の外へ発揮される機械的パワーの加齢にともなう変化を調べ, 性, 年代別の評価表を作成することを目的とした.
被検者は健常成人男性271名 (16~84歳) , 女性248名 (16~82歳) の計519名であった.
各被検者の体重値を脚伸展パワー測定装置に負荷として設定し, 両脚の股, 膝および足関節を屈曲させた座位姿勢から装置のフットプレートを前方に最大努力で蹴り出してもらい, その際に発揮されるパワー値を測定した.測定の信頼性は, 10日間にわたるパワー値の変動係数が5.0×10-2以下であったことから確認した.
体重がパワー値に影響を及ぼす年代が多かったことから, その影響の少ない体重当たりのパワー値で加齢現象をみた.男女とも, 体重当たりのパワー値は加齢とともに直線的に減少した.また, 各年代とも, 男性が女性よりも大きな値を示し, その比は64.8~72.0%であり, 加齢とともに性差が小さくなる傾向にあった.男性の低下率が大きく, 加齢にともなって性差が小さくなる原因は, 男性の20~30歳代の値が女性に比べて著しく大きいことにあると考えられた.
体重当たりのパワー値の分布の正規性は, 30歳未満男性を除いて, 男女, どの年代においても認められた.そこで, 性, 年代別に5歳刻みの5段階評価表 (表3) を作成した.

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© 日本体力医学会
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