体力科学
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ジャンプトレーニングがラットの骨形態・強度に及ぼす影響
梅村 義久石河 利寛桜井 佳世益子 詔次
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1996 年 45 巻 2 号 p. 311-317

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抄録
ジャンプと走トレーニングが, ラットの大腿骨と脛骨に及ぼす影響につてついて研究がなされた.4週齢のF344系ラットを1週間の予備飼育の後, 8週間トレーニングさせた.実験Aでは強制走運動群 (スピード30m/min, 1時間/日) とコントロール群を比較した.実験Bでは自発走運動群およびジャンプトレーニング群 (高さ40cm, 100回/日) をコントロール群と比較した.ジャンプトレーニング群の下肢の骨は横断面の面積が顕著に増加して破断試験の最大負荷が大きくなったが, 骨長は長くならなかった.強制走運動群と自発走運動群の骨の適応はよく類似していた.両群の下肢の骨はそれぞれのコントロールより長かった.両群の横断面の面積と最大負荷は各々のコントロールよりも増加したがジャンプトレーニング群よりは低値を示した.本実験の結果から, ジャンプトレーニングに対する骨の適応は走トレーニングに対する適応と異なること, 骨を強化する為にはジャンプトレーニングが有効なトレーニング方法であることが指摘された.
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© 日本体力医学会
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