体力科学
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中高年者における健康と体力との関係
佐藤 敏郎, 村瀬 智彦, 藤井 輝明, 岩尾 智, 小林 由樹, 佐藤 祐造
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1996 年 45 巻 2 号 p. 357-363

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抄録
本研究では, 中高年者の健康度と体力測定における成績との関係を多次元的に分析するために重判別分析を用いて検討を行った.対象は30歳~60歳代の男女889名であった.健康群と治療群の判別のための評価基準によって分類された2群を体力測定の結果から最も適切に判別することが可能な判別関数を算出した.
その結果, 正判別確率は男性で70.2%, 女性で68.2%であり, 中高年者の健康と体力との間には男女共に比較的高い関係があることが示唆された.また, 判別関数を用いて各個人の健康度を判別得点で表わし, その得点と各体力測定項目における成績との間の相関係数を算出したところ, 男女共に年齢及び筋持久力を代表する指標と健康度との間に高い相関関係が認められた.さらに, 男性においては特に全身持久力の指標と健康度との関連が高く, 女性では形態における項目で高い相関関係が認められた.つまり, 男性では日常生活における全身あるいは筋持久力の変化が健康状態の指標として重要であり, 女性では筋持久力の低下に加えて体格における変化が健康状態と密接な関係にあることが明らかになった.また, 健康度に対する各体力構成要素の貢献度は男女間で異なることが認められた.
以上の結果は, 中高年者を対象とした運動指導の実践においては, 男性では筋持久力あるいは全身持久力の向上・維持を念頭におき, 女性では筋持久力だけではなく体格における変化にも注意して運動指導を行うことが重要であることを示唆していると考えられる.
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© 日本体力医学会
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