体力科学
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自発運動の直後に多食する食物摂取パターンにより持久的運動時の肝臓グリーコーゲン消費は節約される
永松 俊哉荒尾 孝
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1997 年 46 巻 1 号 p. 39-47

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抄録

運動前多食型 (BE) および運動後多食型 (AE) の食物摂取パターンが持久性の向上に有効か否かを明らかにすることを目的に, ラットを用いて低強度および高強度の急性運動を負荷した際の糖脂質代謝について検討した.
(1) 運動前安静および対照安静のいずれの時点でも, 血漿FFAは自由摂食 (AD) 群に比較しBE群およびAE群で有意な低値を示し, 肝臓グリコーゲンはAD群およびBE群に比べてAE群で有意な高値を示した.
(2) 低強度運動時には, 血漿FFAおよびグリセロールがAD群において運動前安静群に比較して運動群で有意な高値を示した.肝臓グリコーゲンは, AD群では運動前安静群に比較して運動群で有意な低値を示し, BE群では運動前安静群に比べて運動群で有意な高値を示した.一方, 肝臓グリコーゲンは運動後, AD群に比較してBE群およびAE群で有意な高値を示し, BE群に比較してAE群で有意な高値を示した.腓腹筋グリコーゲンは, AD群では運動前安静群に比較して運動群で有意な低値を示し, 運動後には, AD群およびBE群に比較してAE群で有意な高値を示した.
(3) 高強度運動時には, AD群, BE群, およびAE群のいずれも血漿FFAおよびグリセロールが運動前安静群に比較して運動群で有意な高値を示した.運動負荷後の血漿FFAにおいては, AD群に比較してBE群およびAE群で有意な低値を示した.肝臓グリコーゲンは, AD群では運動前安静群に比較して運動群で有意な低値を示した.運動負荷後は, AD群に比較してBE群で有意な高値を示し, BE群に比較してAE群で有意な高値を示した.腓腹筋グリコーゲンに関しては, AD群, BE群, およびAE群のいずれも運動前安静群に比較して運動群で有意な低値を示した.
以上より, 運動後多食型は, 運動開始時には自由摂食および運動前多食型に比較して, 肝臓グリコーゲン含量を高めることに極めて有効であるので持久的運動時の肝臓グリコーゲン消費節約が可能であり, 持久性の向上に有効であるものと推察された.

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