体力科学
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運動終了後の副交感神経活動の簡易評価法とコンディショニングにおける応用
菅原 順濱田 豊鍋倉 賢治西嶋 尚彦松田 光生
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1999 年 48 巻 4 号 p. 467-475

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抄録

本研究では, %△HR30が副交感神経の再興奮過程の指標としてT30に代わりうるか否かを検討するため, 強度の異なる定量運動負荷を加えて, 両者を比較した.T30および%△HR30は, 40%VTおよび80%VT強度の運動負荷において, それぞれほぼ等しい値を示した.T30と%△HR30との間には強い相関関係が認められた.さらに, 両者と〓O2maxとの間にそれぞれ有意の相関関係が認められた.これらの成績から, %△HR30は運動負荷終了後の副交感神経の再興奮過程を反映する指標であることが示唆され, 運動負荷がVT水準以下であれば厳密な強度の設定が不要であること, また, 体力水準も反映する指標であることが示された.次いで, %△HR30がトレーニングに伴うアスリートの疲労等の生体反応を反映するか否かを検討するため, 大学陸上部中長距離走選手の夏季強化合宿において, 毎朝のトレーニング開始前に%△HR30をフィールドテストにより測定し, トレーニング状況と対応させて検討したところ, %△HR30はトレーニング量が多かった日の翌朝には低値を, 休養を主体にした日の翌朝には高値を示した.すなわち, %△HR30は疲労等の生体反応, あるいはその回復状況を反映している可能性が示唆された.

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© 日本体力医学会
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