2000 年 49 巻 1 号 p. 183-191
本研究では自転車エルゴメーターを用いたランプ負荷形式の運動を行わせ, NIRSを用いて外側広筋と大腿直筋の血液・酸素動態を測定し, 2つの活動筋の脱酸素化のパターンを比較した.両筋の酸素化レベルは運動強度の増加に対して有意な減少を示した (P<0.001) .筋酸素化レベルの減少率が低下する脱酸素化の限界閾値は, 12名中10名の被験者の外側広筋でみられたが, 大腿直筋では1例も見られなかった.また, 大腿直筋に関しては, 筋酸素化レベルの減少率が急峻となるパターンも観察された.以上の結果から, 自転車運動時の主働筋として考えられる大腿四頭筋のうち, 外側広筋と大腿直筋では脱酸素化のパターンが異なることが示された.