抄録
1.健常被験者6名を対象とし, ヒラメ筋と前脛骨筋を対象として1分間のMVCを4回行い, その際の発揮力, 筋電図の周波数及び振幅の変化を解析した.
2.足底屈力及び足背屈力ともに有意な低下が観察され, 特に前脛骨筋課題における低下が顕著であった.2回目MVC以降, 電気刺激により誘発された足底屈力は随意的足底屈力を上回っていた.
3.課題終了後に行われた「かけ声」を伴う3秒間のMVC発揮では, 大きな足底屈力の回復が観察された.一方, 足背屈力にはこのような回復は観察されなかった.
4.RMS/Fは前脛骨筋において2回目MVC以降, ヒラメ筋では4回目MVC時にRMS/Fの急峻な増大が観察された.
5.これらの結果から, RMS/Fは筋の持つ生理学的特性や局所筋疲労を調べる有効な指標となりうる可能性が示された.