体力科学
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視覚から得られる物体の「大きさ」情報が精密把握運動時の摘み力制御におよぼす影響
川合 悟生田 香明山本 高司
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2001 年 50 巻 4 号 p. 513-520

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抄録

拇指および指示指で小物体を摘み上げる運動において, 視覚から得られる物体の大きさ情報が摘み力および持ち上げ力の発揮プログラムにおよぼす影響について検討した.
(1) 視覚から得られる物体の大きさに応じて, 持ち上げ時に発揮されるGrip ForceおよびLoad Forceはスケールされた.このことは力発揮プログラムの予測的制御変数として物体の大きさ情報が利用されていると推察された.
(2) 大きさ情報が遮断されると, いずれの大きさの箱に対しても発揮される力は大きな箱を持ち上げる際に発揮される力の方へ変化した.このことは大きさ情報が, 最も大きな箱に対して発揮される力を基準として, それより小さな箱に対してより小さな力を発揮するように作用した結果と推察された.
本研究の一部は, 帝塚山学術研究助成金および文部省科学研究費 (基礎研究 (C) 11680067) により行われた.

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© 日本体力医学会
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