2016 年 53 巻 2 号 p. 139-142
T細胞性急性リンパ性白血病の維持療法中に6-メルカプトプリン (6-MP) によると思われる著明な骨髄抑制を認めた12歳男児を経験した.6-MPを大幅に減量することにより化学療法を継続することができた.6-MPの各種代謝酵素の関与を疑い, 6-MP代謝に関わる酵素の遺伝子多型の検索を行ったところ,TPMT, ITPA, MTHFR, ABCC4はいずれもwild typeであった.一方,近年6-MP不耐容に相関すると報告されたNUDT15のヘテロ接合体変異を認めた.