日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
T細胞性急性リンパ性白血病に対する維持療法中に6-メルカプトプリンによる著明な骨髄抑制をきたしNUDT15変異を認めた1例
深尾 大輔濱畑 啓悟高橋 俊恵古宮 圭井上 美保子原 茂登儘田 光和吉田 晃百井 亨田中 庸一
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2016 年 53 巻 2 号 p. 139-142

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抄録

T細胞性急性リンパ性白血病の維持療法中に6-メルカプトプリン (6-MP) によると思われる著明な骨髄抑制を認めた12歳男児を経験した.6-MPを大幅に減量することにより化学療法を継続することができた.6-MPの各種代謝酵素の関与を疑い, 6-MP代謝に関わる酵素の遺伝子多型の検索を行ったところ,TPMTITPAMTHFRABCC4はいずれもwild typeであった.一方,近年6-MP不耐容に相関すると報告されたNUDT15のヘテロ接合体変異を認めた.

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© 2016 日本小児血液・がん学会
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