小児免疫性血小板減少症(ITP)治療は近年大きく変化している.本研究では当院で診療した初発時20歳未満のprimary ITP患者183名を対象に,治療選択と入院期間の変遷およびその要因を後方視的に検討した.
対象と方法:2004年4月~2025年3月に当院にてprimary ITPとして診療された183名を,開院後10年間を期間A,続く11年間を期間Bに分類し,診療録から患者背景,初回治療内容,骨髄検査の有無,リツキシマブ・TPO RAなどの二次治療薬使用状況,延べ入院日数を抽出して比較解析を行った.
結果:患者背景に有意差はなかったが,prednisolone使用率は期間Aの55.4%から期間Bで25.3%へ減少し,intravenous immunoglobulin(IVIG)使用率は29.3%から56.0%へ増加した.骨髄検査を行った患者の割合は79.1%から53.8%へ低下し,期間Bでは二次治療以降でリツキシマブ・TPO RAが使用されていた.入院期間中央値は10.0日から6.0日へ短縮し,多変量解析ではIVIG初回群でより短縮傾向が認められた.
考察:IVIGの迅速な効果発現,侵襲的検査の省略,二次治療薬の普及に加え,「HRQoL最適化」を重視する診療方針への転換が,入院負担の軽減と患者・家族のHRQoL向上に寄与したと考えられる.今後は小児ITP特化のHRQoL評価ツールの臨床導入が急務である.
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