日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
重篤なKasabach-Merritt現象を合併したKaposiform hemangioendotheliomaに対しインターフェロンαが有効であった乳児例
舩越 康智岡田 雅彦森山 薫谷岡 真司石橋 麻奈美楊井 章紀山根 裕介大畠 雅之安倍 邦子林 徳真吉森内 浩幸
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2016 年 53 巻 2 号 p. 147-151

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抄録

Kaposiform hemangioendothelioma(KHE)は乳児に好発する稀な血管腫瘍で,Kasabach-Merritt現象(KMP)を合併すると重篤な血小板減少や凝固障害により致死的な経過をとることもある.ステロイド全身投与が第一選択薬となるが,治療抵抗性を示す場合も多い.今回我々は,口腔から前胸部に及ぶKHEにより新生児期から重篤なKMPと気道閉塞による呼吸障害を合併し種々の治療に抵抗した乳児が,インターフェロンα(IFNα)に反応し改善した症例を経験したので報告する.IFNαは副作用への懸念はあるものの,乳児においても治療抵抗性のKHEに対する治療の選択肢となりうる.

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© 2016 日本小児血液・がん学会
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