日本小児血液・がん学会雑誌
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症例報告
術後腸重積を発症した腎芽腫の乳児例
川田 祥子山岡 正慶寺尾 陽子横井 健太郎平松 友雅桑島 成央芦塚 修一吉澤 穣治井田 博幸秋山 政晴
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2016 年 53 巻 3 号 p. 286-288

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抄録

我々は腎芽腫に対する腫瘍切除術後に腸重積を合併した11か月女児を経験した.術後2日目から胆汁性嘔吐,腹部膨満,経鼻胃管からの排液の増加を認めたため,癒着性イレウスを疑い術後7日目に再度開腹手術を行った.術中所見で小腸小腸型の腸重積を認め,徒手整復を施行した.術後腸重積は,腹部腫瘤の触知や血便を認めることが少なく,また腹部エコーや小腸造影などの画像検査の有用性が低いとされる.また,術後早期に発症することが多いため,化学療法や放射線治療の副作用と鑑別が困難となる.小児固形腫瘍に対する後腹膜手術を行い,術後早期から嘔吐が遷延する場合には,腸重積を疑う必要がある.

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© 2016 日本小児血液・がん学会
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