2016 年 53 巻 5 号 p. 481-486
頭痛,嘔気を主訴に近医受診した11歳男児.頭部MRIで左前頭葉に腫瘤性病変を認め,当院紹介となった.開頭腫瘍部分摘出術を施行し,病理組織からCentral nervous system primitive neuroectodermal tumor(CNS-PNET)と診断した.化学療法と放射線治療を実施した.その後自己末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を施行したが,画像上腫瘍は増大傾向であった.手術は適応外と判断し,vinorelbine(VNR)+cyclophosphamide(CY)の低侵襲性外来治療を開始した.有害事象によりVNRの減量を要したが,減量後は重篤な副作用は認めなかった.約2年間の外来治療を継続したが腫瘍の増大はなく,治療終了後1年経過した現在も原病の進行は認めていない.再発・治療抵抗性のCNS-PNETの標準的治療は確立しておらず,今後の多数の症例蓄積による検討が必要と思われる.