2017 年 54 巻 2 号 p. 133-137
虫垂炎を機に診断された虫垂原発のBurkitt lymphoma(BL)を経験したので報告する.症例は16歳男性.受診9日前から腹痛と嘔吐があり,3日前より発熱を認め,腹痛が右下腹部へ限局してきたため当院を受診した.腹部CTで腫大した虫垂と膿瘍形成を認め,急性虫垂炎の診断で虫垂切除術が施行され,病理検査によりBLと診断された.遠隔転移はなく,FDG-PETで腸間膜リンパ節の腫大とFDG集積亢進を認め,Stage IIIと診断した.手術から治療開始まで2か月を要し,LMB/FAB96プロトコールに基づいて化学療法を行い,計4コースで治療を終了した.診断後18か月現在,寛解を維持している.虫垂原発のリンパ腫は,非腫瘍性の急性虫垂炎と比べると経過が緩徐な場合もあり,画像では虫垂の形態を維持したままの著明な腫脹がみられるなどの特徴が報告されている.本例のように急性虫垂炎が疑われ,これらの所見がみられた場合には,稀ではあるがリンパ腫を鑑別する必要があると思われる.